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癌掲示板..>原因不明で上がるマーカー

1 名前: ちびすけ 投稿日:2005/03/04(金) 14:51
こんにちは。母が3年前に卵巣がんで全摘出をしました。その後の抗がん剤治療を何クールかしたのですが、治療を止めるとマーカーが上がってしまいます。
レントゲン・MRI・PETもやったのに何も写っていません。
なんだか、病院がいい鴨を見つけ何かにつけ入院・治療をさせ儲けてる様なきがしてきました。
どなたか、同じように原因が分からないまま腫瘍マーカーが上がってしまう方がおられましたらお返事頂けないでしょうか?
母も、原因が分からない分、意気消沈としてます。どなたか同じ経験をされてらっしゃる方がおられたら、少しは気持ちが楽になるような気がしまして・・
マーカー35で退院し、何も投与しない月に計ったら58まで上がり再入院をし、投与を開始するそうです。果たしてこの数値は癌がある証拠なのでしょうか?


2 名前: 次男 投稿日:2005/03/06(日) 09:38
原因が分からないというのは画像に映らない、
触診で確認できないと言う範囲ではないですか?
腹膜、つまり腹部の内臓表面と腹部の内臓全体を包んでいる袋のような
膜への転移であれば病巣が広く薄く張り付いている為
いずれの方法でも確認は難しいと思います。

私の母の場合

初回手術前CEAマーカー163原発不明で試験開腹・腹水除去のみ。
術後化学療法中最低25が87まで上昇し再手術・卵巣と腹膜一部摘出
術後2か月間は47のままで自覚症状無いものの化学療法継続以外に道は残っておりません。

病院の姿勢に関してはご本人に不安が伝わると良くないので
早急に結論付けてはいけないんじゃないかと思いますが
主治医の病状や今後の方針について説明が不足がちであれば
セカンドオピニオンで検索してアドバイスをしてくれる
他の医師・病院を探して訪ねる手もあると思います。



3 名前: ちびすけ 投稿日:2005/03/12(土) 20:53
次男さん、メールありがとうございました。腹膜・・可能性あるかもしれませんね。今日久しぶりに母に会ったので次回の治療の時にでもさりげなく先生に聞いてみる様に言ってみました。
セカンドオピニオンの件も、もっとネットで詳しく調べ母に紹介してみます。


4 名前: K 投稿日:2005/07/14(木) 12:38
MRIの場合ですと、1cm以上の癌でないと、画像に鮮明に写らないことがあります。つまり、目に見えない癌がある可能性があるかもしれない可能性は否定できないと思います。腫瘍マーカーの種類にもよりますが、産婦人科専門医のセカンドオピニオンがベストだと思います。

5 名前: 名無しさん@癌掲示板 投稿日:2005/07/15(金) 01:09
KさんとDさんに聞きたいのですが、PET検査の信頼性は
どう思いますか?例えば良性腫瘍に反応したり、悪性腫瘍が
反応しなかったり、…などです

6 名前: D 投稿日:2005/07/17(日) 14:45
PETはマスコミの過大評価だと思います。確かに悪性腫瘍はブドウ糖
を大量に吸収する傾向とは言えますが、完全特異的なものではありません。

7 名前: K 投稿日:2005/07/18(月) 20:44
PETは少しタイプが異なるMRIとお考えください。子宮筋腫のような良性の腫瘍にも反応しますし、1cm以下の癌に反応しないこともあります。卵巣癌は他の癌と比べて抗癌剤がよく効く癌であるかわりに再発性が高い癌でもあります。卵巣癌の再発モニターといわれるCA125の他、CA19-9やSLXが異常値を示しているのであれば、目に見えない癌が潜んでいる可能性はやはり否定できないと思われます。

8 名前: 名無しさん@癌掲示板 投稿日:2005/07/18(月) 21:55
Kさん、PETでは良性と悪性の識別ができないということですか?
再発率が高い、抗癌剤がよく効く…というのは癌細胞の増殖が早いから
でしょうか?再発時にca125を産出しなくなる細胞に変貌することは
よくありますか?

9 名前: 投稿日:2005/07/19(火) 16:54
少し専門的な話になってしまいますが、PETをフルネームでいうと、ポジトロン・エミッション・トモグラフィ、日本語にするとブドウ糖反応波長放射型X線断層撮影装置といったものになります。もちろん良性と悪性の区別を画像からすることもできますし、数ミリの癌を見つけ出すことが全く不可能ではありません。ただし、肉眼で見える場合に限りです。癌細胞1粒の大きさはだいたい百万分の1ミリです。いのげさんが医師の目より病理検査のほうが確かですよとおっしゃっているのは、この部分です。病理検査では、病理顕微鏡を用いて肉眼で見えない部分までしっかりと見ます。再発率が高いというのは、卵巣癌の場合、腹膜播種等によって微小転移(画像に映らない、目に見えない転移)が起こる可能性がゼロではないということです。抗癌剤が良く効くというのは、タキサン等非常に有効な抗癌剤が多いということです。いわゆる低分化型、高分化型といわれるような増殖の速さについて言っているわけではありません。また、卵巣癌がCA125を産出するのではなく、卵巣癌が出す特殊な物質にCA125が反応するということです。つまり、私が常々目に見えない癌が潜んでいる可能性はゼロではないと申しあげているのは、画像にも映らない、肉眼に見えない小さな小さな転移卵巣癌を目に見える大きさになる前に腫瘍マーカーが見つけてくれている可能性は全くゼロではありませんよ、ということです。そして、小さな小さな癌の種がいくつかあって、時期をずらして、芽を出しているとすれば、目に見えない再発卵巣癌を叩くための抗癌剤治療は決して無駄ともいえないかもしれないということです。             

10 名前: 名無しさん@癌掲示板 投稿日:2005/07/19(火) 22:29
しかし粘液性、明細胞でも抗癌剤は有効だといえるのでしょうか…
PETは異常ではないものまで異常反応しやすいと聞きました。(特異度)
PETはマスコミの過大評価だとも聞きました
確実に診断できるものってマーカー、PET以外にないんでしょうか

11 名前: 投稿日:2005/07/22(金) 15:41
通常明細胞腺癌の場合、医師は通常、境界悪性の段階で補助抗癌剤療法をおこないます。粘液性でも、抗癌剤がけっして無効でないものもあります。PETはマスコミの過大評価だというのは、完全に否定できません。というもの、肺癌の例でいうと、PETには映らなかった早期癌がヘリカルCTに映しだされた例があります。また、異常でないものまで異常反応しやすい、これもまた事実です。確実に診断できるものというと、組織検査になってしまいますね・・・。もちろん、補助化学療法を受けるかどうかは、最終的には主治医とメリット、デメリットを相談した上で、患者さんの意志と責任に負うところが大きいと思います。医師が抗癌剤投与前にインフォームド・コンセントを行うのはそのためですから。結論的には、やはり、産婦人科専門医のセカンドオピニオン、主治医との腰を据えた話し合いですね。そして、その結果の選択においては、患者さん自身の選択であり、責任ということになるのかもしれません。

12 名前: K 投稿日:2005/07/22(金) 17:00
卵巣癌の場合の抗癌剤有益性についてはMERCK MANUAL DIAGNOSIS AND THERAPYに補助化学療法(抗がん剤治療)が行われなかった場合と行われた場合の五年生存率の比較が具体的なパーセンテージを伴って記されています。NIKKEINBから日本語版が出ています。また、京都大学の福島雅典先生がPDQ日本語版を訳しておられるサイトにもメルクマニュアルについての紹介があります。また、Dさんと私がTJ、DJ等について話しているのは、上皮卵巣癌についてであり、胚種と呼ばれるものについては、抗癌剤治療はまた異なったものになります。

13 名前: 名無しさん@癌掲示板 投稿日:2005/07/23(土) 00:10
境界悪性でも抗癌剤を行うことはなぜでしょうか?
治療法のマニュアルがないからですか?
あと効きにくいというのは奏効率が低いという意味ですか?
もしそうならば効く人には効くけど効かない人には
効かないという表現でしょうか??
あと卵巣癌のマーカーCA125は信頼性が高いものだと
他のサイトで情報を得たのですが、事実でしょうか?

14 名前:   投稿日:2005/07/25(月) 15:36
卵巣癌については、手術と化学療法(上皮卵巣癌の場合は、タキサン系と白金系、胚細胞腫瘍の場合にはBEP )が一般的な治療法とされています。この一般的な治療法から始めて、副作用と薬効値があがっているかどうか(腫瘍マーカーの数値が順調にさがっているかどうか)をみながら、投薬の続行、中止、薬剤の変更などを決定します。抗癌剤の効き方や副作用には確かにかなり個人差があります。境界悪性でも抗癌剤治療を行うのは、微小転移の可能性が考えられる境界悪性の細胞が癌化する可能性があるので治療しやすいうちに治療するためです。明細胞腺癌や粘液性腺癌でも、早期発見なら抗癌剤治療が奏効している例もかなりあります。腺癌の場合は微小転移のリスクを減らすこと、化学療法にある程度の期待がもてることから、産婦人科医は通常化学療法を勧めるのが一般的です。CA125の信頼性については、根治手術(子宮および卵巣全摘出)後の場合、信頼意性は高いとされていますが、術前(子宮および卵巣温存)の場合には、良性の病気や女性ホルモンに過敏に反応する場合もあります。

15 名前: D 投稿日:2005/07/25(月) 22:52
早期の粘液性腺癌と明細胞腺癌で抗癌剤が奏効しているかどうか
の証拠は証明しにくいものだと思います。手術前の化学療法なら
わかりますが…あと境界悪性の場合は抗癌剤が効かない…と私は認識
しています。手術の根治性に委ねるしかないのでは!?
CA125は上皮性卵巣癌(特に漿液性腺と類内膜)においては
信頼度が高いですが、個人個人それぞれだと思います
また、内膜症でも上昇します

16 名前: K 投稿日:2005/07/26(火) 10:53
手術の根治性という点では、私もおおいに同感です。ただ、これはあくまで仮説なのですが、粘液性腺癌については、癌病巣部と粘液の部分の比率、ステージ、粘液と癌病巣部の状態が抗癌剤治療に大きく影響すると考えています。それは、抗癌剤というのは、癌細胞が正常細胞より早く分裂、増殖を繰り返すことを逆手に取った薬剤であり、粘液、粘膜は通常の細胞より早いスピードで増殖するからです。早期発見で粘液が占める割合が癌細胞に対して多い場合、抗がん剤が粘液に包まれた癌細胞を攻撃することで医師の予想に反して抗がん剤が効いたり、副作用が軽かったり、根治の可能性もあるのではないかと。そして、発症例が多い分野であり、予後が悪いといわれる分野であるからこそ、早期発見が大切であり、早期発見のケースと進行性の癌の対比、進行性の癌のための分子標的治療薬の開発が待たれる分野だとおもうのですが・・・。もしかすると、抗がん剤が粘液を攻撃することに終始して癌細胞を攻撃し切れてない可能性があるのではないか、という可能性をどうしても疑ってしまうので・・・。ただ、1ついえることは、粘液性の腺癌については、ステージを細かく細分化し症例を細かく検討したうえで抗がん剤の選択をしていくことが重要だと思われるのですが・・・。

17 名前: 投稿日:2005/07/29(金) 22:48
KさんはPETの特異性についてどう思われますか?
個人的にKさんのPETに対する感想をお聞かせください
正直な意見をお願いします

18 名前: K 投稿日:2005/07/30(土) 17:15
個人的には、完全特異性ではないと思います。PETで発見されなかった早期の肺癌がヘリカルCTに映し出された例もありますし、臓器によってははっきりと映し出されない場合もあると思います。PETのみにたよるのではなく、病理検査、組織検査を含む精密検査等も含めさまざまな視点からの診断が医師には望まれますし、患者の側にもさまざまな検査を受けた後で医師の診断を仰ぐ姿勢が必要かとはおもいます。ただ、私がここで述べているのは、あくまでその症例に対して必要とされる標準的な検査のことです。患者さんに精神的、肉体的、経済的負担をかける無駄な検査のことではありません。PETを完全なる検査のように扱うのは、マスコミの過大評価だと思います。精密製がある程度まで期待できる診断材料の1つというのが、私の正直な感想です。実際、まだ3回生なのでDさんのような専門知識は十分持ち合わせていません。ただ、将来は医師不足といわれる産婦人科か小児科に進めればなあと思っていますが、いかんせん知識不足です。

19 名前: 投稿日:2005/07/30(土) 23:17
もちろん感度・特異性が100%のものが理想ですね。
マスコミの過大評価には困ったものですね。
Kさんどうもありがとうございました。
Kさんはすばらしいお考えを持ってらっしゃいますね